絹の化粧品の予期せぬ効用
天蚕ハンドクリームで痒(かゆ)み解消
日頃、絹製品を販売しながら絹が身体にも環境にも良
い事をお客様にいつも話しています。
自分も季節を問わず下着は靴下まで野蚕の絹を着用し、
販売時にはではブラウスなども野蚕絹を着て、冬のマフ
ラーは絹の中で最も柔らかいエリシルクを使っています。
朝、ひげ剃りして顔を洗った後は、ひげ剃りクリームの
代わりに家蚕のシルクローションを塗り、手には天蚕の
ハンドクリームを塗ります。
そのせいか、馬齢を重ねた今も、一般健康診断では問題
になる数値は有りません。
絹の空気を吸っている当スタッフも同様です。
ところが、3年余り前から足のすねに痒みを覚えるよ
うなりましたので、皮膚科の医院に行った所、「老人性
乾燥肌で、誰しもそうなって行きます。」と診断され、
軟膏を処方されました。塗った直後は何となく痒みは収
まるのですが、夜半にふくらはぎの方まで強烈に痒くな
ったりする様になり、新たに軟膏や飲み薬を頂きました
が、薬が2,3日切れると痒みが戻って来ます。薬がなく
て大腿部まで拡大して来た夜、思い余って、いつも手の
甲に塗っている保湿性の高い天蚕シルクのハンドクリー
ムを足全体に塗ってみました。しばらくすると、不思議
に痒みが消えて安眠する事が出来ました。
その後は医者に行く事なく、3日に一度程度天蚕ハンド
クリームを塗っています。
思わぬシルクの効用にビックリしている昨今です。
痒みの原因は何で有ろうか
若い年代では古くなった皮膚は垢となって破棄され、
新たにみずみずしい皮膚が不断に代謝されますが、年を
とるにしたがって新陳代謝の衰えから、皮膚の表面の角
質層の代謝も衰え、古い表面の角質層の水分が失われ、
乾燥し、所々破れて、第2角質層が露出し、そこに雑菌
が繁殖し、皮膚の下から痒みを伝達する神経が表面に浮
き出し、痒いと云う警告を出していると思われます。
その時、親和性に優れ、保湿性が高く抗菌性のある野蚕
シルクのゲルを塗れば破れた角質層をシルクゲルが補修
した状態になり、とりあえず痒さは無くなると思えます。
痒さから解消されるもう一つの発見
老化を促進する余剰活性酸素の害を考えなければなら
ないと思います。
現在の地球環境は100年前とは比べ物にならないほど空
気には化学物質が浮遊し、同様に水も汚染され、食品も
幾種類もの化学物質が含まれ、ビタミン、各種ミネラル、
繊維質不足の人工栽培野菜等に囲まれた現代生活は、余
剰になった活性酸素の毒性を中和する力が弱く、どうし
ても体内に活性酸素が増えて、身体の老化等の様々な支
障を起こす事になると考えられます。
加齢による痒みも活性酸素過多による皮膚の老化がその
一因であれば、絹が活性酸素の害を中和して老化を抑制
し、痒みを解消していると思えます。
絹化粧品の機能性
シルク化粧品はシルクの持つ保湿性、抗菌性、防紫外
線性、吸臭性、吸色素性などを期待した物です。
シルクは人に必要な18種類の必須アミノ酸で出来てい
ますので、親和性に満ちていて殆どの人に拒否反応は有
りません。(シルクアレルギー者、1/25万人)
シルクローションをつけるとか顔が艶やかになり、紫外
線から肌を守り日焼けを防ぎます。特に夏期には汗に含
まれる老廃物から雑菌によりアンモニアなどが作られ、
汗臭さが夕方になると強くなって来ますが、シルクはそ
のような雑菌の繁殖を抑制しますので、汗臭さも和らぎ
ます。そればかりでなく色素や臭いを吸収する性質もあ
りますので少しではありますが、肌の美白効果が見られ
ます。シミ、ソバカスなどが濃くなるのを防ぎ、体臭や
老臭なども和らげます。また、コラーゲンの減少を僅か
でも抑える効果もあるようです。使用実験ですが、肌の
小ジワが少し目立たなくなります。
シルク化粧品の色々
シルク入り化粧品は1980年頃から大手化粧品会社か
ら発売されています。当時はシルクと云うイメージで売
られていて、機能性を大きく取り上げているアイテムは
殆ど有りませんでしたが、昨今シルクの機能性が次々に
解明されると、上記の様な様々な使用目的を持った化粧
品が作られる様になって来ました。
絹は繭の種類、部位によってアミノ酸の構成比率も異な
り、機能性も異なります。また絹をパウダやゲルにした
時、その粒子の大きさでも機能性が違って来ます。それ
らの事は専門家の間では常識になっていますが、薬事的
な認知はされていませんので、機能性を明確に表示した
化粧品はまだありません。
早く確かな研究が確立する事を願ってやみません。